「肉まんよりあんまんの方がおいしいよ。」
という意味の文章を表記する際に
「肉まんよりあんまんのがおいしいよ。」
と書かれているものを最近とくに多く見かけるようになってきました。
ちょっと前から稀に目にするなあと思っていたのですが、
ネット等々で色々なものを見ていてもこの書き方はだんだん増えている気がします。
私が「のが」を最初に見たのは確か矢沢あいの漫画だった気がします。おそらく10〜15年くらい前です。
ずいぶんくだけた書き方をするんだなあと思った覚えがあります。
確かに気をつけて聞いていると、実際のフランクな会話の中では「こっちのがいいよお〜」という聞こえ方にかなり近くなっていますね。
矢沢あいの少女漫画に出てくる女の子は少女言葉をあまり用いず、現実にそこらにいる女の子と同じような
男子と対等にじゃれあう言葉づかいをしていますね。
そういうテクニックはおそらく矢沢あいが発祥というわけではないとは思うんですけども
少女漫画の中にあっては少々あらっぽい印象にもなりうる[発音ありきの脱・少女言葉]を多く用いたことにも矢沢あいの漫画がリアルとか言われて人気が出た所以がなくもないように思えます。
矢沢あいの漫画に出てくる表記に関して、もう一つ気になっているのは「咎める意味の[?]」です。
これは「シンちゃんそれは犯罪よ?」と書かれた時の[?]のこと。
これも[のが]ほどではないけれども徐々に目にする機会が増えてきた気がします。
適当な例が思い浮かばないのですが無理やり例文を作ると
「あの店はもう潰れちゃってるよ?」
「もう学校は始まったよ?」
「曙は負けたよ?」
など、「もう学校は始まったよ」と表記すれば単なる情報伝達なのですが[?]を最後につけることで
相手の無知を若干とがめるような印象を受けます。
「肉まんよりあんまんのがおいしいよ?」
と書くとより矢沢あいっぽくなりました。
これも発音ありきの表記ですね。実際の発音では確かに語尾が上がる事が多いと思います。
文字だけだと、文脈などの微妙な匙加減でちょっと意地悪な感じになってしまいます。
漫画をわんさか読んでいる訳ではないのでたまたま読んだことのある矢沢あいの例を挙げましたが、
[のが]と「咎めの[?]」はひとつの発明でもあるんじゃないでしょうかね。
漫画を描きながら、よりリアルの会話の雰囲気に近い会話文を考えてフキダシの中に収めていくのはけっこう神経を使う作業かもしれないと想像します。
そう考えると漫画由来のくだけた会話表記は思っているよりもたくさんあるんだと思います。「ガーン!」とか「シーン」とかもそうだったような。
なんだかわからない話になってしまったのでこのへんでやめます。
・気になっている事・ おわり
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