武蔵野館で見た予告、みんな大好きビーニー・フェルドスタインな時点で、
これは問答無用で好きなヤツや!思った「
ビルド・ア・ガール」見ました。
☆4つかなぁと思いながら見てたけど、あのラストは思わず拍手してしまったので、
傑作と言わざるを得ない。
「
ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」の時のように相方が明確に存在しないので、笑いの質感が一段下がってる印象が見てる間ずっとつきまとったので、ラストなかったら4つ評価な感じだったんだけども。
パンフ見たら、単独主演であることをまず評価していたので、そう言われると、たしかにそこは評価しなきゃいかんよなぁとも。
つまり、笑いとしてはちょっと弱い。もしくは、テンポとして弱い。
あるいは、強いのを知っているので物足りない。
しかし、しかしである。面白いか面白くないかで言えば、
圧倒的に面白い映画。
ボンヤリ背景を知ってるぐらいで見たので、根暗JKがはっちゃけて変にセルアウトした話かと思ってたら、
そっから挫折してやり直す話だった。
だから「ビルド・ア・ガール」
となればだ、どちらかと言えば、売れない残念なお父さん側の人間としては、同じ立場なら娘になにも言えないし、自力で立ち直ってくれて良かったと思う。
まさか、自分が馬鹿にされることによって、娘が気づいたなんて思いもしない。
男は常に馬鹿だし、その馬鹿に救われることもたまにはある。
奇跡的なぐらいたまには。
そして、あの浮かれた感じや、しかし、誠実な知性みたいなモノは、ビーニー・フェルドスタインだからこそで、配役の妙。
パンフに書いてたけど、ジョアンナの役どころは、そんじょそこらの役者にできるところでは無いので、ビーニー・フェルドスタインだからこそ成立している映画でもある。
なにせ、「
DUNE」でティモシー・シャラメは15歳に見えなかったけど、ビーニー・フェルドスタインみたいな16歳はいるだろ。いる。知ってる。
超肉感的だからこそ、知性が映えるのは先入観と差別意識の賜物だし、だからこそ、
あの終わり方に絶対的な説得力がある。
パンフのインタヴュでビーニー・フェルドスタインは、ラストシーンについて完璧な解説をしていて、思わず拍手した俺の感慨を見事に言語化していた。
その前のシーンで、ジョン・カイト(アルファー・アレン)が、ジョアンナを許容し、年齢をある種の言い訳にしつつも「親友になれる」と断言した、知性ベースな男女の友情として屈指の名シーンとともに、ラストの10分程度は心地良さしかない。
あなたはあなたになれば良いし、あなたになった方が良いのだ。
何度でもあなたはあなたをやり直せる。
だから「ビルド・ア・ガール」
原題は「How to Build a girl」なので、余計にタイトルの意味が強い。
でもさ、俺がやり直すとして、上述の通り、近しいジョアンナの父親のようになりやしないか?とは思う。
ビーニー・フェルドスタインは80歳でもやり直せると言ったけど、お前まだ20代だろう!とは。
けれど、まずは何者でもない誰かに、まずは届けるべきなのだ。この映画。
原作・脚本キャトリン・モランが言っているとおり、「 これが自分の好きなものなんだ 」と言わなければならない。
なのでウチの甥っ子どもとかには、刺さるんだろうなぁ。
ちゃんと見てくれればだけども。
そうそう、まさかマニック・ストリート・プリーチャーズのライヴが出てくるとは思わなかったので、超テンション上がりましたわ。
歌詞わかってなかったので、あんなに下衆か!とビックリしたけど(笑)
あと、
ガーリの主題歌は素晴らしいので思わず買った。