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重要文化財の秘密唸るバクテリア2023/05/19

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俺は大好き東京国立近代美術館で「重要文化財の秘密」見てきました。
去年の「国宝展」以来、今年一番楽しみにしていた展示なのだけれど、サブタイトルが「問題作が傑作になるまで」で、なるほど。たしかに説明書きをしっかり読めばサブタイの意味もわかるのだが、そうじゃないとなかなか難しい。
重文指定年表に書いてたのかしら?

並み居る重文作品の中で、展覧会担当者がいちばん見て欲しい、というのがこちら。重文指定順で全68件の作品を並べた(おそらく)本邦初制作の「重要文化財指定年表」。あっさり通り過ぎることなかれ。解き甲斐のある謎が沢山あるんです。その謎は会場で…。#重要文化財の秘密@jubun_2023pic.twitter.com/ERfRc3AoB2

— 東京国立近代美術館 MOMAT (@MOMAT_museum) March 18, 2023

それはともかく、本編は全般的にフィジカル最高!と素直に思った。
たとえば、ヘッドライナ級に扱われてる原田直次郎「騎龍観音
誰もが「ちょっと頭のおかしな厨二病画」と感じること請け合いなわけだが、現物見るとね、龍なんですよ。本体は。観音様はオマケに過ぎない。
龍がめっちゃ可愛いの
思わずしゃがんで覗き込んじゃうぐらい可愛いの。目がクリンクリンでキラキラしてて可愛いの
みんな遠巻きに全体を見てるのだけど、この絵は違う。
日本は龍を可愛く描く国なんやねん。みんな大好き曽我蕭白筆「雲龍図」とかな!
近代画は全体も大事だけど、より細部が大事!といった。まるで手のひら返したかのような見解だけども。
もちろん、フィジカルの大きさとか質感も大事で、これまたヘッドライナ級のメインヴィジュアル高橋由一「鮭」が、思いの外デカいキャンバスに描かれてるとか、前にも横山大観展で見たけど、ちょっと並んでじっくり見れた「生々流転」の余白の大きさや、ヤケにリアリティのある生活描写は見てる間中、「日本でウェブトゥーンやるなら、横スクロールの絵巻物が正解に決まってるじゃないか!!!」という、よくわからない感慨(なお、「何度も見てますから」と「生々流転」列に並ばぬおねぇーさんいて、カッコいい!思った)や、高村光雲「老猿」鈴木長吉「十二の鷹」の格好良さ、三代清風与平「白磁蝶牡丹浮文大瓶」絶妙な凹凸なんかは、フィジカルで見ればこそだし、大好きすぎて重文展見終えた後、3階に上がって「美術館の春まつり」の屏風展示まで見てしまうほどな。屏風のVR感ですよね。
川合玉堂「行く春」が最たるところだったけど、ようやく、欧米のVRに全然気乗りしない理由がわかった。

\ 重文展でもお花見を🌸 /

【作品紹介】川合玉堂《行く春》1916(大正5)年
描かれているのは埼玉県秩父の長瀞。玉堂は3回にわたり季節を変えてここを訪れ、最終的に晩春の情景として描きました。会場で桜吹雪の景色をお楽しみください🌸✨5/1までの展示です。
▼特設HPhttps://t.co/jLIGpMzdx2 pic.twitter.com/Cp5BtngLVu

— 「重要文化財の秘密」公式【重文展】 (@jubun_2023) March 21, 2023

たぶん、テクノロジー的に拙くても、屏風はVRであり、屏風の前の空間は異界なのだ。
想像力というか、感性こそがリアリティ。
ホントもう、屏風の似合う家に住みたい

あとね、物販がちょっとした狂気なんですよ。
福田平八郎「漣」のTシャツ5000円なら衝動買いしてやろうと思ってたら、まさか、菱田春草「黒き猫」靴下売ってんでやんの。
展覧会で靴下衝動買いする日が来るなんて思いもしませんでしたよ。
あと、「鮭」の刺繍缶バッチもあって、こちらも買いました。
「ブローチ」って書いてたけど、どう見ても缶バッチです。ありがとうございます。
ちなみに「漣」は白金箔だぞ。白金箔。
金箔は知ってるけど、白金箔って初めて聞いた。

なお、上述「美術館の春まつり」の屏風展示も良かった。
メインビジュアルの船田玉樹「花の夕」もだけど、最初の桜2点、菊池芳文「小雨ふる吉野」跡見玉枝「桜花図屏風」、なにより作品名メモらなかったのだけど、梨の屏風が素晴らしかった
ホントもう、屏風好き。
あとね、ここでコーヒー飲みながら読書できるなら、毎日でも通うんだが・・・

春の屏風を特集している3階10室の椅子をご紹介💁

コロンとしたラタン編みの椅子は剣持勇による「ラタンスツール」床に浮かんでいるような畳は清家清が設計した「臨機応変型多目的移動畳」の複製です。
自由にお座りいただけますので、おくつろぎのうえごゆるりとお過ごしください🪑#美術館の春まつり pic.twitter.com/52NCgZqRyy

— 東京国立近代美術館 MOMAT (@MOMAT_museum) March 28, 2023

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