第405回 為さねば成らぬIII枚目(後編)

U・B  >かんなり久方ぶりなんで、どこまでやったかすっかり忘れちゃってますが、5thアルバムが出たばかりのTHEイ
       ナズマ戦隊※1)の3rdアルバム「為さねば成らぬIII枚目」を語る後編でっす!
空虹桜>えーと・・・7曲目「ええじゃないか音頭〜ズッコケ中1編〜」からですね。いかにも童
       貞臭漂う
U・B  >いや・・・否定しないけど、のっけからそれか?
空虹桜>だって、モテない中1の唄でしょ?
U・B  >ええ。だけど、こゆのをいいって言うのは中学卒業して何年も経ってるヤツなんだ
       けどな。
空虹桜>そりゃねぇ。中学生がこれ聴いてもズバリで耳に痛いでしょ?
U・B  >妄想だけが頼りですから。この頃なら遠足の集合写真とかでも全然イケますから!
空虹桜>なにが?
U・B  >風船みたいにふんわり膨らんだ あの娘の谷間に飛び込んで(中略)泳い
       でみたってええじゃないか※2
空虹桜>よくないでしょ。ッタク。8曲目はちょっとインパクトに欠ける「小さな幸せ
U・B  >でも、濃いファンに限ってこゆ曲好きだったりする気しね?
空虹桜>しない。
U・B  >言うと思った。
空虹桜>じゃあ、する。
U・B  >どっちだよ!
空虹桜>ベタなヴォケツッコミをしたところで、要するになんでもないようなことが幸せだったと思うって
       話でしょ?(※3
U・B  >どうしてそうリアクションしにくい、際のとこばかり引き合いに出しますか?
空虹桜>そっちのが面白いから。
U・B  >いや・・・いろいろその通りです。とりあえず、仲いいヤツと呑みに行きたくなる曲です。ハイ。
空虹桜>9曲目はこのバンドのアルバムに1曲は必ずある自分で自分の背中を押す系の「秋空によろ
       しく
U・B  >また鋭いところを。と、普通なら言うだろうけど、この曲はもうちょっと深く突っこんで聴きたい
空虹桜>どこを?なにを?
U・B  >いやね、空虹さん。いつかの俺は確かにガムシャラで つんのめるほど、前だけ
       を見てた※4)って、あるじゃないですか。
空虹桜>はいはい。最初の方でそんなの聴きましたよ。
U・B  >たぶん、クロスフェーダのどっかで言ってる(※5)と思うんだけど、2ndアルバムん時は前のめり過ぎてダ
       メだったみたいなことを、なんかのインタヴュで丈ちゃん言ってたんだ。
空虹桜>つまり、ここでいう「いつかの俺」ってのは2ndアルバム作ってた頃の「俺」だと。
U・B  >んだ。でもって、重要なのは否定気味に入ってるけど、最終的にはあー俺たちまだやりますよ 青
       春の日々を※6)と、肯定して終わってるわけだ。
空虹桜>えーと・・・今も前だけ見てるけど、つんのめりはしないよと
U・B  >たぶん外れてないと思うけど、頷きにくいな。
空虹桜ならいいや。次、たぶんこのアルバムでは一番好きな10曲目「あの夏の日々
U・B  >イナ戦の曲としては珍しくドラマチックな構成で、なんとなく丈ちゃんがこの手の失恋物を唄ってると、名
       曲「丈ちゃん元気でね」を思い出してしまう。(※7
空虹桜君もどこかで感じてますか、俺と過ごしたあの夏の日々を※8)って、女の方からし
       たらそんなのとっくに忘れたよ!と。
U・B  >覚えててください。
空虹桜>絶対とっくにもっといい男捕まえてるから。
U・B  >それでもホント、10年に一度とかでいいから思い出してください。頼んますから。
空虹桜>なにそんな卑屈に切実?
U・B  >いや、わかってるんですよ。そんなことは。俺のことなんてとっくにどーでも良くなってるってことぐらい。でも、それで
       も、忘れられるほどちっぽけなもんだったか?と。俺とお前の時間はその程
       度のモノか?と。
空虹桜>その程度の簡単に忘れちゃえる、ちっぽけなものだよ。
U・B  >あっさり言うなぁぁぁ!!
空虹桜>だいたいさ、ジョン・レノンのTシャツプレゼントするような女どうかしてるよ。(※9
U・B  >あっ、俺ビートルズ通ってないからそこはわりと同意。
空虹桜>立ち直りハヤッ!
U・B  >ともかく、この曲で「今」との比較対象はタイトルにもなってる「あの夏の日々」ですから、あの頃に負けて
       なきゃいいんですよ。ええ。ええ。
空虹桜>で、最後が「いつも栄光を!!」で、曲調がわりにポップ。
U・B  >歌詞内容はそうでもないんだけどな。
空虹桜>タイトルは「いつも栄光を」なのに歌詞に出てくる頻度は「いつも情熱を」のが多いという。つまり、
       局それしか言えてない
U・B  >イナ戦にそれ以外のなにを求める
空虹桜>開き直ったな。
U・B  >いや、むしろここでアルバムタイトルを思い出していただきたい。
空虹桜>えっ?為さねば成らなかったけど、為して成ったの?
U・B  >なんかそれ、東北弁みたいだな
空虹桜をい
U・B  >いやね、世界が変わるほどの熱い情熱を※10)言ってるけど、結局情熱ってとこにこの
       アルバムで行き着いたわけだ
空虹桜>ん?「青春」ではなくて?
U・B  >たしかに「青春」の登場頻度は多いんだけど、その「青春」という季節を支えているのが「情
       熱」なんじゃないかと
空虹桜>う〜ん・・・
U・B  >それこそ「青春」をキィにしたバンドならチャミグリ!(※11)がいたわけだけど、チャミグリ!の「青春」は甘く、
       そして、せつなく、苦い苺の味のよう※12)なわけじゃん。
空虹桜>覚えてないけど、アンタが言うんだからそうなんじゃないの。
U・B  >だけど、イナ戦にとっての「青春」は「情熱」で「前のめり」で「つんのめる」モノなわけだ。今まではそこに至らず、ホ
       ントに前のめりに直感的に作れるモノを作ってたんだけど、自分たちが作ったモノの内、
       にがホントに作りたかったのか自分たちが作りたいモノがなんなのかが3枚
       目にして見えたんだろうなぁと。(※13


※1 Vo.上中丈弥(基本全曲作詞)、G.山田武郎、Ba.中田俊哉、Dr.久保裕行の四人組ロックバンド。ドラム以外の3人が大阪出身で、ドラムだけ北海道出身という異色な組み合わせ。詳しくはオフィシャル参照。って、毎回ここコピペで済ませてたり。それはともかく、前回はこちら
※2 拡大部は歌詞より引用。便宜上ここでは中略を明記してます。
※3 空虹さんの発言はもちろんThe虎舞竜の「ロード」が出典だと思われます。
※4 拡大部は歌詞より引用。
※5 2ndの後編でそんな感じの話してます。
※6 拡大部は歌詞より引用。
※7 1stアルバムの5曲目。クロスフェーダの第345回でレヴュしてます。
※8 拡大部は歌詞より引用。
※9 そのような件が歌詞中にある。
※10 拡大部は歌詞より引用。
※11 U・Bが本当に心から大好きだったバンド。クロスフェーダで紹介済み。たぶん中古屋へ行けば一枚ぐらいあると思うんで、ホント一度聴いてみてください。
※12 チャミグリ!の「Blue Berry」より引用。この曲は「CS+GH UNOFFICIAL BOOTLEGS -BEST OF YOUTH ANOTHER SIDE-」の「終業メドレー」でのみ音源化されている(チャミグリ!ドットコムさんで確認した限り)
※13 空虹桜33行。U・B46行で、当然の負け。イナ戦は毎回間が空きすぎてて、ちょっと申し訳ないなぁと思ってます。ハイ。


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