第679回 我ら、時 DISC3(後編)

空虹桜>いよいよDISC3の話の後編にして、小沢健二※1)の15,000円する「我ら、時」パルコ Amazon)を語る最終回。
U・B  >他に語ろうか?語るまいか?みたいなアルバムが出てたとしても、すべて捨て置いて全部話しきりましたね。
空虹桜まだ終わってないから。そんなわけで、トラック6は「ある光
U・B  >オザケン(※2)史上何枚かあるアルバム未収録曲の内の1曲。
空虹桜>原曲は8分越えだけど、ここではわずか44秒。というかこのあとトラック7「時間軸を曲げて」の前振り。
U・B  >なんで「ある光」を唄ったのか?ってのは、解釈論でいろいろあると思うんですけど、喋りたいですか?
空虹桜>イジメみたいなフリだね。それ。
U・B  >訊いてみただけですよ。どちらかというと問題は「時間軸を曲げて」ですが、あのサビ前のビブラートしてるところが微妙にイラッと
       するのは、ワタクシめだけでしょうか?
空虹桜>アンタだけなんじゃないですかね。なんか、この曲は古いポップなメロディラインに、「Eclectic」(※3)な小沢健二を足して2
       で割ったような曲だなぁと感じてて、モードとしては明らかに今の小沢健二が曲を作るとたしかにこんな感じがする
       んだろうなぁっていう曲なんだよね。
U・B  >日本語がふらついてるけど、パブリックイメージの行き着く先。みたいな?
空虹桜>カモね。たとえば「蛇遣い」って、わりと日本的では無いフレーズから曲ははじまってるけど、サビはありがとうという言葉で
       失われしものに誓うよ※4)なんて、日本的な観点に立脚している。
U・B  >さっき言ってた古いポップさみたいなのは、ある意味、ワールドスタンダードと言い換えてもいいのかもしれない?
空虹桜>若干リスキィな気はするけど、それぐらいの冒険はアリかもね。あと、この曲は「我」と「我ら」を使い分けてるんだよね。
U・B  >イヴェントタイトル的には「我ら」だよね。
空虹桜>うん。あの喧噪の90年代と20年後が時間軸を曲げてつながったライヴがこれだからね。小沢君だ
       けじゃなく、メンバ、スタッフ、オーディエンスみんなひっくるめて「我ら」じゃなきゃいけない
U・B  >となれば、ここでの「我」はオザケンですわな。
空虹桜>するとさ、この「我」は時を飛び越えて、心はともにあるとか言っちゃうわけですよ。
U・B  >うわーっ!オザケンだぁ!!
空虹桜>スゴいよね。このエゴが拡張してるんだか誠実なんだかよくわかんない感じも含めて、THIS IS 小沢健二みたいな曲
U・B  >繰り返し聞いても飽きない感じが、また見事といえば見事で。さて、だいぶ時間使いましたが、トラック8はお待ちかね「ラブリー」。
空虹桜>もうなんか、この曲は罪深くすらあるよね。
U・B  >そもそも「ラブリー」ってカタカナだから誤魔化されてるけど、英語じゃん!っていう。
空虹桜>それを言うと、ローラースケート・パーク(※5)からなにから全部言い換えなきゃいけなくなっちゃうんだけど、やっぱり一番はLIFE IS
       COMIN'BACK感じたかったと言い換えるのにLIFE IS A SHOWTIMEはそのままだってことだと思うん
       だよね。
U・B  >やっぱ人生はショウタイムですか?
空虹桜生きることは見せることですよ
U・B  >世界中うろちょろしたって、結局そこからブレるものではなかったっていう。
空虹桜>っていうか、世界中まわったからこそ、改めてLIFE IS A SHOWTIMEって自信を持って唄えるんじゃないか
       なぁ
U・B  >さらにそれが「ラブリー」ですらあると。えーと、突拍子もないこと言ってもいいですか?
空虹桜>その前に、この曲も結構いろんなライヴをつないでますねと。で、なに?
U・B  >CAN'T YOU SEE THE WAY? IT'S A完璧な絵に似たに言い換えてるじゃないですか。これ、俺には完璧
       な流行り歌と空耳してて、オザケン言い切った!っと、一人で悦に入ってたんですよ。しばらく。
空虹桜>うわっ。しかもそれ、なんだかあり得ないとは言いきれない感じがスゴい。
U・B  >ええ。ある意味センスのある空耳ですよ。自分で言うのもなんだけど。さて、トラック9は「流星ビバップ(三)」で、なんだ
       かラストソングとしての座りが良い
空虹桜>それは「刹那」(※6)の刷り込みじゃないかなぁ。ちなみに、客席が唄う中、メンバが舞台を捌けてるらしいです。
U・B  >最後まで残るのはスカパラ沖さんですな。キィボードだから。
空虹桜>さほど求められていない情報をありがとう。アンコールになるトラック10は「いちょう並木のセレナーデ
U・B  >最後の最後で歌詞をすり替えてて、I'm ready for the blueを最後だけわかってきてると。
空虹桜>シレッと入れてきてるよね。でも、もしかしたら「いちょう並木」はこのアレンヂが一番好きかもしれない。
U・B  >名曲オーラ放ってる感があるんだよね。このバージョン。(※7
空虹桜>もともといい曲なんだけど、気合いが入ってるからかなぁ。
U・B  >カモねぇ。最後トラック11は「愛し愛されて生きるのさ
空虹桜>やっぱり台詞の部分で歓声が上がる
U・B  >ライヴマナーですからね。
空虹桜>やっぱり?この曲もコーラスの部分の英語が我ら、時をゆくに言い換えられてて、でも、曲の持ってる勢いみたいなモノのせい
       か、イイ感じの盛り上がりに使われてる。
U・B  >ホントね。最後のオザケンの唄いっぷりとかも感情入ってて、いきなりのライヴでこんだけ聴けばお腹いっぱいだろうね
空虹桜>なるだろうねぇ。10年以上前から「愛し愛されて生きるのさ」聴いてるけど
U・B  >聴いてるねぇ。つかね、超今さらなこと言っていいですか。
空虹桜>最後だから、どうぞ。
U・B  >いつだって可笑しいほど誰もが誰か 愛し愛されて生きるのさ それだけがただ僕らを悩め
       る時にも 未来の世界へ連れてく※8)って、いい歌詞だよなぁ。
空虹桜>うわっ!また、ビックリするぐらい普通なこと言った。
U・B  >はい。普通ですがなにか問題でも?ってところで、まとめをどうぞ。
空虹桜>やっぱりさ、書くべき人は書くべきで、唄うべき人は唄うべきだと思っていて、小沢健二という人は唄ってこそなんだよね。
       もしかしたら来年ライヴがあるかもとか期待してるんだけど、今、この時、望まれて唄えるって、やっぱり選ばれたというか、望まれている
       わけだから、誰かに届くところで唄い続けて欲しいなぁ。(※9


※1 小沢健二:王子様だから許される吟遊詩人。オフィシャルでの「東京の街が奏でる」振り返りはなかなか面白い。
※2 オザケン:a.k.a 小沢健二。
※3 Eclectic:小沢健二の4thアルバム。クロスフェーダでは第410回第418回でだべっております。
※4 拡大部は歌詞より引用。
※5 ローラースケート・パーク:小沢健二の1stアルバム「犬は吠えるがキャラバンは進む」収録曲。クロスフェーダでは第349回でだべっております。
※6 刹那:小沢健二のアルバム未収録曲集。クロスフェーダでは・・・あっ!だべってないし!!ビックリ。
※7 名曲オーラ:イントロ聞いた瞬間に、これ、名曲!ってわかる曲あるじゃないですか。名曲オーラ。即ち、それ。
※8 拡大部は歌詞より引用。
※9 空虹桜35行。U・B29行で、の負け。そんなわけで、次は「刹那」ですかね?やるとしたら。なんで放置してたんだっけ?


空虹桜HP アノマロカリス > U・Bと空虹桜のクロスフェーダ > 小沢健二 > 第679回 我ら、時 DISC3(後編)
雑感・レヴュ集 メタセコイア > 音楽 > アルバムレヴュ > 小沢健二 > 第679回 我ら、時 DISC3(後編)
空虹桜HP アノマロカリスBANNER
(C) Copyright Unaru Bacteria & SORANIJI Sakura,2013
e-mail bacteria@gennari.net