朗読のススメ(コラム)

 読書経験、あるいは読解内容というのは個人個人特有のモノで、他者とは異なる。
 したがって、読書経験や読解内容を他者と共有する、コミュニケートするためには、自分の経験や感想を言語化する必要に迫られる。具体的には評論や感想文といったものだ。
 しかし、共有する方法はそれだけではない。
 非言語による読書経験や読解内容の共有方法の一つが朗読である。なぜなら朗読という行為には感情移入が伴うからだ。
 朗読者が移入する感情は、読書経験や読解内容に基づき、朗読者が想像した感情である。また、朗読対象の作品は既に言語化されているため、余計な変換が必要とされない。
 もちろん、朗読は言語化されない感情を共有する、コミュニケートするが、拙さ等による伝達効率の劣化を伴う。また、一度に共有できる対象が限られていたり、引用や参照による再共有が難しい等の問題が多々存在している。
 ただ、Webによっていくつかの問題には解決が示されている。その一つがSkypeによる朗読会の開催である。これによって、本来、朗読者が現地に赴く(あるいは聴取者が朗読会に赴く)か、あるいは公共放送に出演できる立場でなければ不可能だった朗読による言語化されない感情共有が、離れた場所にいても低いコストで実現できるようになった。
 指揮者や楽団によって同じ曲に違う印象を受けるように、同じスタンダードジャズが時と場所によってスウィングしていったり、ビバップしていくように、物語も朗読者(読者であり演者)によって、どのようにでも再生できることを、作者も評者も読者ももうすこし理解した方がいい。
 この朗読会は理解する絶好の機会になると思う。

しかし、自分で書いといて、上の文章は大仰だなぁ(笑)
(文責 空虹桜)
まあ、あれだ。国語の時間に「読み」が回ってきた、ってくらいの気分で読めばいいのさ。 さあ、キミも小学校の国語の時間を思い出して、音読しよう。(違?)
(文責 五十嵐彪太)

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