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作品名記述者記述日
ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!唸るバクテリア2023/11/15★★★★

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えっ?馬鹿なの?公開翌週には字幕1日1上映とか、だからTOHOシネマズ嫌いなんだよ!!!と思ったら、新宿ピカデリーもか!!!ってことで、「>ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!」を結局TOHOシネマズ新宿で見ました。
タイトル出てくるパラマウントの山が映画本編と同じタッチの画になった瞬間、やったー!思いました。すくなくとも、悪い映画ではない。
しかし、ようやくわたしは自覚しました。
わたしはセス・ローゲンになりたい人生でした
なにを言っているのかわからないけれど、この映画のテーマが、まさかコンプレックスの克服だとは思わなかった。
もちろん、「ミュータントが人間社会に馴染む」というのは、タートルズというシリーズ全般のテーマではあるのだけど、亀だけじゃなく、ネズミも、まさかエイプリルもそのためにというのが、ちょっとビックリの良い構造。
しかも、常に言っているけど、劇中ゲロを吐く映画は良い映画なのです。
ラストの鯨怪獣が倒されたシーンもそうだけど、緑のゲロなのは「ウ〜ズ」と区別が付かないのでちょっとどうなのかと。
って、そうじゃなく、爆笑したのはあのゲロの海と、スプリンターと死虫(?)のディープキスですよ。
劇中ツッコまれたとおり、グロい(笑)
ゲロの海の時にはウーロン茶吹き出してしまったので、捕まったらどうしようかと思った。
それはともかく、たしかにティーンエイジャー映画なのだ。出てくる音楽のチョイスがとても今っぽい。
しかも、スーパーフライはアイス・キューブ。
スプリンターがジャッキー・チェンなのとの対称性を見よう。
つまり、どちらもレジェンドであり、スタンダードを作った人である。
恐ろしい。
なにせ、上述の通り、スプリンター大活躍なのだ。
で、スーパーフライの素体たるイエバエは、生き延びている。
オマケに最後はサワキちゃん a.k.a シュレッダーのシルエットで終わりですよ。
ついつい、
サワキちゃんなにやってんのよ!
と物真似してしまう病に感染しているので、サワキちゃんに最後ガン上がりでした。
はやく2を!クランゲも待ってます!!!

閑話休題。
パンフ読んでて、たしかにスパイク・ジョーンズみはあるなぁと。
どちらかというと、元々ノートの隅っこに描かれたマンガに近しい筆致をアニメーション化するのは、見てない「スパイダーバース」や、2022年ベストだった「THE FIRST SLAM DUNK」に並び立つ、現代的なCGアニメの系譜である。
これまたパンフで言及あったけど、3DCGで一番苦手なタイプの画だからこそ、わざわざカットに描写を描き足しているらしい。
そうじゃなかったら、あの感じは出せない。
しかし、もっとビックリしたのは、時々無性に、あのタッチのアニメーションにかかわらず、たまらなくリアルを感じたのだ。
現実のような感覚。実写のような感覚。
もしかしたら、脳味噌は歪みにこそリアリティを見出すのかもしれない。
好きな娘が時々歪んだ微笑みを浮かべる時こそ、たまらなく愛おしく感じるようなモノだ。

それにしても、セス・ローゲンなのである。
今年、セス・ローゲン見過ぎ問題なのだけど、「フェイブルマンズ」の名演に、「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」での名歌唱。
でもって、今回のプロデュースなのである。
パラマウントのクセに、素晴らしくナイスチョイス。
ちっとも忍術関係ない豊富な中華アクションで「忍者」名乗ったり、「進撃の巨人」だの「AKIRA」だの「ゴジラ」だのぶっ込んできたり、しかも、ゴリラ+鯨でゴジラだったわけだから、鯨ベースの怪獣がマンハッタンを襲うだなんて、ゴジラ史的にも正しい。
(しかし、アトロク2によると元イメージは「塊魂」らしい!)
えげつないキスシーンや、エイプリルに最後しれっと「 わたしたち友達よね 」言わせたり、なんとまぁセス・ローゲンなのである。
巧いなぁ。
こうやって自分の好きなのぶち込んでちゃんとまとめ上げる。
アメリカ映画だからティーンエイジャーという括りにはなるけど、我々の言葉で言えば、これはまさしく青春映画なのだ
見逃してはならないのだけど、ミュータント化したのが青年期以降だっただけで、スプリンターもスーパーフライも15年しかミュータントをやっていないのだ。
彼らもおしなべてティーンエイジャーだ
だから、エイプリルも含めて、幼いトラウマの克服を迫られる。物語に。
青春モノらしい展開に、胸は熱くなるのだけど、どうしたって普通の人であるオイラには、凄まじいまでの感情移入は出来なかったのでした。
それだけが残念だったなぁ。
エイプリルすら、普通の人では無かったっていう。
ただ、だからこそ、最後の最後で、普通の人たちが鯨怪獣を倒すのに協力するのは、怪獣映画史上初めて、ホントのホントに一般人が怪獣を倒したと言ってもいい気がした
ある意味では、「シン・ゴジラ」以降ではあるんだけど、フレッシュな怪獣退治だったなぁと。
とはいえ、なにか既視感あるなと思ったら、「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」のエンディングに近しいとも。

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