いろいろ検討した結果、ドルビーアトモスのTOHOシネマズ新宿リクライニングシートで「
シン・仮面ライダー」見ました。
終盤、
スゲェ寒かったのだけど、兎も角、
健全になってしまった庵野たんは詰まらない。わーい。
という「
死んでるおキヌちゃんが好き」という感慨。
もちろん、「レッツゴー!! ライダーキック」かかるとアがるじゃないですか。
アがらざるを得ないじゃないですか!
最初にかかった時は拍手したよ。
「
シン・ウルトラマン」で「ウルトラマンの歌」を使わなかったクセに、ここでは使うのか!
使うのか!!
あまりにも我慢できずに、両サイド客いなかったからエンドロールで「レッツゴー!! ライダーキック」唄ったぞ。
「
仮面ライダー本郷猛は改造人間である 」
って台詞無かったけど唄ったぞ。この曲の本体は台詞だからな。
この台詞だからな!
兎も角、ありがとうドルビーアトモス。僕の声を掻き消してくれて。
でも、それはそれでこれはこれなんですよ。
いくら、俺がラスト30分でトイレに行きたくなったからって、アレで良かったのか?と問われればそうでもないわけです。
しかして、エンドロール見てて、はたと気付くのです。
<font size=“7”>庵野、お前、仮面ライダーにもなったのか!</font>
いろいろ整合性を取りたがる庵野たんにしては、人工知能アイがどっか行ったというのもあるのだけれども、Kがさ、ロボット刑事に見えたんですよ。
おじさん、ロボット刑事K好きだから、ロボット刑事Kに見えたのです。
ちなみにもちろん皆言ってるとおり、ジェイはキカイダーだよ!!
なんでハカイダーおらんのや!!!
でさ、チョウオーグ as 森山未來は仮面ライダー第0号だけどベルトはV3で、デザインモティーフはやはりイナズマンですよね。蛾も蝶も同じ。
つまり、石ノ森章太郎トリビュートではあるのだけども、実際なんだかシン・仮面ライダー続編案とか踏まえると、石ノ森シネマティックユニバースやりたいっぽいけど、それはそれで俄然見たいから、ちゃんと映画にしようよ。という気にはなる。
「シン・石ノ森アベンジャーズ」ですよ。
とはいえ、上がればいいってもんでもないじゃないですか。
なんだか中途半端なんだよなぁ・・・
結局のところ、戦闘シーンは「シン・ウルトラマン」の方が良かったりして、樋口君が関わってないせいかもしれないけれど、ちょっと食い足りない印象。
アレだったら川崎の工場でずっと戦闘してろよ!って気にもなるけど、なんだかんだで、面白かったのは冒頭からダムまでかなぁと。
それ以降はオマケなのですよ。偉い人には(略)
ああ。庵野たんでも駄目なんだなぁと思った一番のところは、ハチオーグとの殺陣シーンですよ。
あんなに殺陣をカットバックしたら、ちょっと情報量の多さについていけない。
殺陣って、春日太一言うところのラヴシーンなわけだから、どっちかって言うとワンカットで見たいんですよ。濃厚なキスシーンをカット切ったらわけわかんないじゃないですか。チンコ勃たないじゃないですか!(なにを言い出すのか)
ちなみに、西野七瀬もうちょい大根かと思ってたけど、踊ってただけあってかアクションはそれなりにこなせてたかなぁと。
と思ったら、ドキュメント「シン・仮面ライダー」見て、CGだったのかよ!やっぱり西野七瀬のアクション使えなかったのかよ!(誤読)
あのシーンの元ネタは池松壮亮が怪我してる状況だったから、CGにしてカット切らざるを得なかったわけですね。なるほど。
しかして、どちらかというと、庵野たんでも実写の情報量の多さをわかっていなかったというか、アニメの方法論が通じないところにようやく踏み込んだという認識ではある。
その意味では、パンフやオフィシャルで言ってるとおり、
様々な邦画の現実に抗い続けながら、
自分の持っているアニメと実写の技術と方法論の粋を集めた作品です。
というのはわからいではない。
粋を集めたからこそ、限界と突破するべき壁が見えた作品とも言える。
全然作中気づかなかったのだけど、エンドロールで「
大殺陣」や「
十三人の刺客」のポスタを貼っていたようで、つまり、シネフィル庵野秀明は、そろそろ
時代劇を撮りたがっているという解釈その1。
アクションという意味では、森山未來にチョウオーグをさせたのは踊らせたかったからで、舞踊シーンとしては素晴らしいのだけど、って、これまたドキュメント「シン・仮面ライダー」踏まえると、全然実態は違ったので、まんまと庵野たんに嵌められただけだったという。
とはいえ、あのシーンもカット切りすぎてるがために、流れが読み取れないのです。勿体ない。
やはりダンスシーンとしては富野由悠季御大が素晴らしくて、舞踊の見せ方を知ってるんだなぁと。
実際問題振り返ってみると、日本のアニメでダンスをきちんと表現できてたのって、あまりない。
パッと思いつくのは、「
ユーリ!!! on ICE」と「
犬王」だけど、「ユーリ!!! on ICE」はフィギュアスケートだし、「犬王」はダンスというかライヴだからなぁ。
ネズミーはなんだかんだで社交界文化の映画だけあって、わかってんだけども、プロムが無い世界だとどうしようもないですかねぇ。
おそらくは、庵野たんが体を動かさない人だからだとは思うんだが。
いや、御大も運動神経無いんだけども、そこは娘がコレオグラファーなのは強いし、ちゃんと本物を見ているから。
つまり、庵野たんじゃ「
キングゲイナー」は作れない。
一方、ポスター引用の話で行くと、これまた全然気づかなかったのだけど「
仁義なき戦い」のポスタをすべて引用しているのである。ビバ!東映。
冒頭のあまりに嘘くさい血しぶきシーンに拍手しつつ、
だからPG12かぁぁぁ!!!思ってたのだけど、つまり、「シン・仮面ライダー」は「仁義なき戦い」なのである。
という解釈その2。たぶん、これ正解。
であれば、ある種の鉄砲玉こと本郷猛 as 池松壮亮に対して、俺の期待通り、第1号との敵対から最後は生き残って仮面ライダー(新第2号)にレベルアップする一文字隼人 as 塚本祐は、「
心がすっきり 」とか言っちゃうあたり、
ある種のジャンキィなわけじゃないですか。
姐さん緑川ルリ子 as 浜辺美波と捉えれば、姐さんの兄さんは、そりゃ組長になるわけで、ああなるほど。「仁義なき戦い」なのか!と。実際、ドキュメント「シン・仮面ライダー」の中でも野性味や暴力性についての言及が多かったりもする。
その意味で、庵野たんのヤクザモノを見てみたい気もするが、庵野たんは縦社会の人でも無いからなぁ・・・
となれば、ルリ子の孤独っぷりは庵野たんっぽいし、遺言カットはある意味で綾波レイっぽかった(とはいえ、
宇多丸が言うほどエヴァだとは思っていない)し、
浜辺美波可愛いなぁと心から思った。
浜辺美波は、やはりこういう役のがあうのよな。というのが、素直な感慨なのです。
「
金の国 水の国」で感じた違和感に比べて、この違和感の無さは素晴らしい。
あと、喉の黒子にエロを感じたのです。
変態だもの(俺が)
でもね、見てる間ノイズだったのは、なんでアップを手持ちカメラとフィックスカメラとで分けてたのかなんですよ。
エモーショナルなシーンは手持ちなのかなぁと思って中盤以降見てたけど、必ずしもそういうわけではなく、ずっと読み解こうとしてたけど、ちっともわからなかったので、誰か説明してくれ。
パンフで氷川竜介ぐらいはそこを説明してくれないと・・・
すべては、
配給カラーじゃないからだ!という妄想も無くは無い。
あと、マスク越しの声は百歩譲るとして、BGMのヴォリュームがすこし大きくて台詞が聞き取りにくいシーンが幾つかあったのです。
もしかしたら、ドルビーアトモスのせいかもしれんが、ちと辛い。
にしても、竹野内豊に斎藤工に長澤まさみか・・・同じ役者に依存しすぎでは?
つか、他の仕事があったからかもしれないけれど、サソリオーグ as 長澤まさみの無駄遣いは酷い(褒めている)
思わず、見ててツッコんだではないか。
あと、パンフ見てたら、VFXで戦闘員の身長あわせるとか狂気ですよ。
つかね、ビックリするけど、マフラーの靡き方でNG出してたりとか、柄本佑のサムズアップを再撮でバシバシ採用してたとか、そもそも、再撮を2022年末から2023年初ぐらいまでやってたっぽいとか、庵野たんらしい狂気というかだし、初号がつい最近なのも納得なのだけど、見てる間中の細かい違和感が無いのはだからか!とも。
大きな違和感に隠されていると言い方も出来るのだが、見やすさとか配慮とかみたいなモノは、さりげなさ過ぎて気づかないという。
パンフで白倉が言ってるけど、庵野たんは本当に観客が見たいモノや見たくないモノがわかっているなぁとは。
紀伊さんは「 クリエイタとしての庵野たんとプロデューサとしての庵野たん 」みたいな言い方をしているけど、たぶん、本質的には「 クリエイタとしての庵野たんとトップヲタとしての庵野たん 」のが正解なんだと思うし、庵野たん以上のヲタが多いジャンルであればこそ、トップヲタ・オブ・トップヲタに失礼な映像は見せられない。って感覚が、庵野たんにはあるんじゃなかろうかと。
そういう意味ではやはり、庵野たんは信じられる。
のだが・・・
なお、入場特典はクモオーグと一文字隼人でした。
ある意味、柄本佑最高映画なので、これは俺勝ち組。