第392回 冬盤〜スイート10ダイヤモンズメロディアス〜

U・B  >クロスフェーダは週一更新ですよ!と、大声で叫んでおいたところで、お待たせいたしまし
       た。我らがスキップカウズ※1)のミニアルバム「冬盤〜スイート10ダイヤモンズメロディ
       アス〜」(Amazon/iTS)をしゃぶり尽くします。
空虹桜>THE HELLO WORKS(※2)の1stアルバムものスゴいにもかかわらず一ヶ月放置プレイはど
       うなのかと。
U・B  >そこはホレ、1月ハロワで、2月「今夜はブギーバック談義」の第二弾(※3)をやるから見逃していただきたい。
       ちうとこで、1曲目「赤い手〜スイート10冬のアカペラヴァージョン〜超名曲
空虹桜>ロックバンドが他のメンバ無視してアカペラの曲入れてもいいのかと。
U・B  >インスト入れてOKならOKじゃね?なにより名曲だし、デヴュ曲※4)だし、ゴスペラーズの村
       上てつやプロデュースだし(※5)。さうさう、PVがYouTubeに上がってるんでリンクしておこう。ス
       キップカウズというバンドを、「赤い手」という世紀の名曲を知らない人は、とりあえずこれだけでも見てく
       ださい。つか、見ろ
空虹桜>暑苦しいなぁ。っていうかさ、いいの?そういう著作権的にアウトなのを出してきて。
U・B  >オフィシャルの掲示板でリーダが紹介してた(※6)から、目こぼしされるんでね?つか、なこと言
       ったら、さっきの「今夜はブギーバック談義」はそんなのばっかだぞ
空虹桜>え〜・・・なんかなぁ・・・
U・B  >話戻して、やっぱミソは「アカペラ」という技法?っていうか自体が冬っぽさに直結してるっていう事
       実だと思うんよ。
空虹桜>たしかにそうだね。きっとクリスマスの賛美歌とかからのイメージなんだろうね。
U・B  >音的にも基本人間の声だけで演奏されるわけで、なんだろ?人肌だからこそ逆に周囲の冷
       たさが引き立つというか。
空虹桜>曲自体が、一人で待ってる曲だから余計だよね。
U・B  >ホント、メジャデヴュして以降ずっとファンやってるんだけど、改めて「赤い手」という曲はこんな
       にも名曲だったのかと
空虹桜>いい加減熱意がうざったくなる頃なんで2曲目「らしくない君」曲名はそんなんだけど、曲自体は極め
       てスキカウっぽい
U・B  >つか、明らかにスキカウ。アカペラ終わりにドラムからギターが入ってメロディオン(※7)って、これがス
       キカウじゃなかったらなにがスキカウか?と言った。
空虹桜>はいはい。
U・B  >やる気ねぇーなぁ。
空虹桜>アタシのことは気にせず、どうぞおしゃべりください。
U・B  >お言葉に甘えて。やっぱりこれはアレですな。いつもの君を僕は待っているに尽きると思うわけ
       ですよ。よくさ、それこそドラマとかで男が「もっと素直になりなよ」とか言う場面があるじゃないですか。
空虹桜>絶対アタシだったら書かないような場面ですね。
U・B  >んだ。逆視点で言うと「泣いちゃダメだ」的なね。女の子がなにかに耐えてる場面。そゆ時、俺らみたいな人種
       は「大丈夫?」ぐらいしか掛ける言葉を持っていないという、この切実さったら!
空虹桜>相変わらず力が入ると言い回しが仰々しいなぁ。
U・B  >うるへぇ。ともかく、言葉が無いからすぐそばにいても待つことしかできないわけ
       ですよ。戻って欲しいのにどうしていいかわかんなくて、ずっと待つだけ。
空虹桜>べつにいいじゃん。待つだけで。他になにかして欲しくもないと思うよ。相手側としても。
U・B  >いや、こっちとしてはもっとなにかしてあげれるんじゃないか?とか思うわけですよ。
空虹桜>そゆ、ある種の同情っていうか上から目線が既にウザいよね。
U・B  >はいはい。すみませんね。想像力が豊富なモノでして。ともかく、そんな待つしかできない感じが
       かく表現されてる曲ではないかと。
空虹桜>最後の最後でまたツッコミ入れたい言い回ししてくれたけど、時間が無いので次3曲目「赤い傘」いくらなん
       でも、「赤い手」と同じアルバムに「赤い傘」って入れるか?普通。
U・B  >それは俺も思った。
空虹桜>しかも、なんだかスキカウのクセに結構抽象的でわかりにくい。
U・B  >にもかかわらず、なんだか疾走感がある曲というのがいいではないか。迷ってる歌詞なのに曲が走ってるか
       ら、醒めてるっていうか客観的な感じで、こっそり推したい
空虹桜>ベタな解釈をするなら、三十路男の憂鬱?
U・B  >あるいはパッとしないバンドマンの憂鬱
空虹桜>だから、そういうことはファンが言うなよ。
U・B  >しゃーないべ。そもそも、最近のアルバム紹介はだいたい、ファンの方が飛んでもないこと
       言ってますよ
空虹桜>言われてみれば・・・
U・B  >あとやっぱりこのタイトルをどう取るかが焦点になると思うんだけど、単純にイマヤス(※8)が赤い傘持ってた
       ら似合わねぇーだろうなぁーと。
空虹桜>べつにそうでもないと思うけど?
U・B  >ほら、それはさ、俺らが赤いチームのサポ(※9)だったりするから抵抗感がないんだよ。でも、ステレオタ
       イプのイメージは赤が女で青が男じゃん。トイレとかランドセルとか。
空虹桜>はいはいはい。てっきりいくつになっても青臭いバンドだから赤は似合わないって話かと。
U・B  >不意打ちでスゴいこと言いますね。一理あるけど。
空虹桜>拾わず先進めて4曲目「3分ちょっと」と言いつつ、曲は5分越え
U・B  >そのツッコミ痛い。がしかし、今回全曲リーダの作曲(※10)だから、わかっててヴォケた気がする。
       もっとコミックソング的に仕上げることもできたのに、ヤケにメロディアスだってのも含めて。
空虹桜>たしかにこれ、ようはイマヤスが作詞してる自分を描いただけだもんね。これだけ書けば3分
       ちょっとの曲になるだろうというオチ付きで(※11)。
U・B  >だから、中身が無いっちゃないんだけど、むしろ四十代が見えてきて、スキカウはこんな高尚なジョー
       を飛ばせるようになりましたと理解したい。
空虹桜>勝手にしてください。5曲目「センチメンタルPart2」なんだけど、Part1なんてあったっけ?
U・B  >「トラストオーバーサーティ」の4曲目が「センチメンタル」って曲(※12)で、それの続き。のように見せかけ
       てそうでもない。便宜上「トラスト」に入ってた方をPart1と呼ぶけど、Part1は曲も歌詞もセンチメンタル
       全開だけど、Part2はあくまで2月限定のセンチメンタルで、単純に聴けば「マニュファクチュア」
       の2曲目「近くて遠い」(※13)の補完ストーリィみたいな。
空虹桜>つまり、同じタイトルで2曲あるとわけわかんなくなるからPart2にしただけという。なら、
       最初から違うタイトル付けろと。
U・B  >言うな。なら2月のセンチメンタルにすれば良かったじゃないかとかも言うな。
空虹桜>そこはあえてスカす。
U・B  >いらない気は使わなくていいから。ともかく、いつもなら言いたいことを遠回し遠回しに言葉
       数使って唄うのがイマヤスなんだけど、今回のアルバムは言いたいことを直接は
       言わないけど言葉数少なに唄ってて、これはバンド結成18年目にして新たなパターン。
空虹桜>いきなりまとめみたいですけど、6曲目「最後の最後」はわりに直接的に聴こえるんですが。
U・B  >生きてさえいりゃ いつの日か 丸もうけ※14)って、明石家さんまか!とか?(※15
空虹桜>いや、それはたしかに思ったけどそうじゃなくて、考えて 疲れて 泣いて 起きて 怒って
       眠って 最後に笑って 最後に笑って※16)って、珍しく言いたいことマンマでしょ。
U・B  >今回のミニアルバムはDVDも付いてて、その中のこの曲前MCで「自分を励ますような曲を書きたかった」みた
       いなこと言ってたんだけど、まぁ、イマヤスっぽいっちゃイマヤスっぽいんじゃないかなぁと。
空虹桜生きてさえいりゃ それだけで 無敵だぜ※17)とか言えちゃうあたり?
U・B  >「丸もうけ」よりは「無敵」の方がイマヤスっぽいなぁと思うし、たぶん絶対「生きてて良かった」を連呼するフラ
       カン(※18)を意識しながらこの詞書いたと思うんだけど、イマヤスが「生きてて良かった」を連呼するのは説
       得力が無さ過ぎるから、こうやって「笑って」を連呼する方がイマヤスっぽいしスキカ
       ウっぽい
空虹桜コミックバンドだしねぇ
U・B  >さっきのDVDの中でファンの娘たちが軒並みMC目当てで来てる言い張るんだから、どうしてくれ
       ようかと。そんなバンドスキカウかニューロティカしかねぇーぞと。(※19
空虹桜>6曲しかないのに、ヤケに長くなっちゃったけど、まとめをどうぞ。
U・B  >スキカウっぽいって話はしたけど、でも、こうやって直接言われてしまうのはやっぱり違和感がある
       というか、そういうことすら言えないのがいいとひねくれ者の俺あたりは思うわけだ。
空虹桜>わからないじゃないけど、普段マグマで書いてるよなことと矛盾しない?それは。
U・B  >俺個人としてはスキカウやイマヤスにそこは求めてないって話。フラカンには逆にそれを求めるし。
       でだ、俺としてはべつにそんな直接じゃなくても充分過ぎるぐらいスキカウに助けられて
       きてるし、なんつーか、この曲の好き嫌いではなくて、たしかに売れないかもしれ
       ないし伝わらないかもしれないけど、俺はずっとついてくから!※20


※1 スキップカウズ:U・Bがベタ惚れする千葉を代表するバンド。メジャデヴュ後のアルバムはすべて過去に紹介しています。
※2 THE HELLO WORKS:スチャダラパー+SLY MONGOOSE+ロボ宙の中年新人バンド。1stアルバム「PAYDAY」絶賛発売中。
※3 クロスフェーダでも図抜けて人気コンテンツ。第一弾はこちら
※4 デヴュ曲:メジャデヴュシングルが「赤い手」だった。1stアルバムに収録。なんで、今回はセルフカヴァのようなもの。映画「彩恋」の挿入歌にもなっている。この曲を初めてラヂオで聴いたときの衝撃といったら!
※5 ゴスペラーズ:日本屈指のアカペラグループ。村上てつや:ゴスペラーズのリーダ。なお、今回はプロデューサとしてだけでなく、コーラスとしても参加。
※6 リーダ:Gu.遠藤肇。その他メンバ紹介。Vo.今泉泰幸(イマヤス) Ba.小川雄二(ユーヤン) Dr.直井茂雄(シゲ)
※7 メロディオン:一般的にピアニカとか鍵盤ハーモニカと呼ばれる楽器。ピアニカはYAMAHAの商標のため、迂闊に使うとリスクが大きいので注意。
※8 イマヤス:スキップカウズのフロントマン今泉泰幸の愛称。詳しくは※6参照。
※9 赤いチームのサポ:空虹は浦和レッズサポ。U・Bはコンサドーレ札幌サポ。
※10 全曲リーダの作曲:スキップカウズの楽曲は基本的に作詞イマヤス、作曲リーダ。ただ、最近のアルバムはたいてい1曲以上ユーヤンの作曲した曲が入る。
※11 最後の最後で「歌い出しはDの 多分 3分ちょっと」という歌詞が出てくる。ちなみに、U・Bはコードを知らんのでホントに歌い出しがDかはわかりません。ごめんなさい。誰かこっそりメールででも教えてください。
※12 トラストオーバーサーティ:スキカウの7thアルバム。クロスフェーダでは第171回で紹介済み。いろいろ大人の都合で完全インディーズの流通だったのが、久々にメジャの流通に乗っかったアルバム。
※13 マニュファクチュア:スキカウの8thアルバム。クロスフェーダでは第310回で紹介済み。手に入りやすさ的にも、入門編におすすめな一枚。
※14 拡大部は歌詞より引用。
※15 明石家さんまか!:明石家さんまのじいさんの座右の銘が「生きてるだけで丸儲け」で、そこから取って、明石家さんまは自分の娘を「いまる」と名付けた。
※16 拡大部は歌詞より引用。
※17 拡大部は歌詞より引用。
※18 フラカン:Vo.鈴木圭介、Ba.グレートマエカワ、Gu.竹安堅一、Dr.ミスター小西、の4人からなる名古屋出身のバンド。が引き合いに出した曲は「世田谷夜明け前」収録の「深夜高速」。こっそりmf247で無料DLできる。オフィシャルサイトはこちら
※19 ニューロティカ:バンド自体を法人化しているピエロメイクのVo. ATSUSHI率いる死ぬまでに一回は見ときたいバンド。正式には「NEW ROTE'KA」。オフィシャルサイトはこちら
※20 空虹桜37行。U・B68行で、当然大敗。ほぼフルアルバムサイズのトーク量。しっかし、なんで今回本文への歌詞引用少ないのにこんな注釈多いんだ?


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