第462回 俺達の応援歌

U・B  >前のクロスフェーダではベストが出る(※1)って話でしたが、わりに新曲カップリング曲その他諸々多かった
       THEイナズマ戦隊※2)のコンセプトアルバム「俺達の応援歌」を一気にざっと喋って、再来月
       には6thアルバム「ジタバタ大作戦!!」の話をしようと。
空虹桜>タイトルからして明らかに、6thアルバムのがいいアルバムだよね。
U・B  >まったくで。だが仕方ない。この手のコンセプトアルバムとかってのはたいてい大人の事情が
       あったりなかったりもするわけだし。
空虹桜>年度末とか決算月とか。
U・B  >ビジネスする上では仕方ない。で、1曲目が「合言葉〜シャララ〜(long size)」で、CROWS×
       WORSTトリビュートソングだったのだけど、こっちは基本興味がないから、注釈は付けん。
空虹桜>アレでしょ、何故かこのあとにトリビュートしたのがソウルセット※3)という。
U・B  >お前はなにがしたいんだ?的な。
空虹桜>傾向と対策0な感じが、いかにもビジネスっぽくって嫌いじゃないけどね。
U・B  >せめて「クローズ0」の主題歌にでもなってれば、もうちょっとイナ戦的には美味しかったと思うんだけどな。で
       まぁ、曲自体だけど、あまり良いとは言えない
空虹桜べつに今さらそんなことをアンタがストレートに唄わんくてもいいよ的な。
U・B  >べつにそのコンセプトで売ろうが、TV出ようがいいんだけど、それだけがイナ戦の売りみたいな切り出し方される
       のは激しく不満
空虹桜>「オモロラップ」みたいな。
U・B  >馬鹿の一つ覚えもたいがいにしろ!っていうな。たとえばそれこそ怒髪天(※4)は、「全人類
       肯定曲 」と「酒燃料爆進曲 」が、両方ともアンセムたるバンドだからこそ兄貴と呼べる
       わけじゃん
空虹桜>知らんけどね。
U・B  >RSR常連(※5)としては、そろそろそこら辺にも足突っ込んでみましょうよ。
空虹桜>お前らと一緒にするなよ!
U・B  >そんな守り固めなくても、楽になっちゃえよ
空虹桜>なんだそのノリ。とりあえず、「合言葉」はどーでもいい曲ってことで、2曲目「〜熱血商店〜」は4thアルバ
       ム「熱血商店街」で喋ってて、3曲目が「文京台青春物語」はアルバム未収録。
U・B  >1曲目に比べればこっちのが全然いいでしょ?
空虹桜>全然。
U・B  >うん。そう切り返してくると思った。意地でも突っ込まねぇぞ。
空虹桜>なにげにお月様の出番が多いよね。この人の詞って。
U・B  >まともなコメントでさらに切り返しますか。たしかにデヴュ曲が「月に吠えろ」だったりしたバンドですから。
空虹桜>やっぱ月は隠喩だったりするわけじゃん。
U・B  >さらに返しにくい方向へ勝手に行っちゃいますか。勝手に妄想しててくださいよ。めんどくさい。
空虹桜>まぁ、高校生までだよね。太陽が若さの象徴たるのは。
U・B  >大学生は夜の生物ですからね。でも、この世には小学生から夜行性の人間結構いるぞ。
空虹桜>そりゃねぇ。とりあえずサビの空に舞い上がる溜め息を 鼻歌に変えれば 俺達は
       まだ ここで逢えるよ 月と仲良く※6)が上手いなぁってところで、4曲目「俺達の未来
       は明るいぜ!!」がインディーズ時代の曲。
U・B  >これこそいかにも初期イナ戦の衝動と無闇な自信に溢れてていい曲だと思うんだけど、やっぱさ、過去の自分
       のその無闇な自信に否定されるよな大人にゃなりたくないんッスよ。俺は
空虹桜>突然そう熱くこられてましても。
U・B  >結構これって重要だと思うんだよ。
空虹桜>そッスか。
U・B  >そゆ感覚を「若い」の一言で切り捨てるのは簡単だし、それはそれで間違ってないと思うんだけど、改めて、
       の頃と今の俺を比較できるのって、もしかしたら若さ故の客観性かもしんなくて、逆説的に、大人に
       なることが達観であるのなら、その客観性を放棄した奴らは絶対大人になんかなれ
       ないし、腐って死ねや!とかって思うんですよ。
空虹桜>暴走してらっしゃる。
U・B  >だから戦え男よ!! あの日見た夢を 口先の言葉で終わらせるな※7)なんスよ。
空虹桜>はいはい。5曲目「雨上がり」もアルバム未収録曲。
U・B  >シンプルでわかりやすい曲。つか、「雨上がり」って場面設定がちょっとべたべた感アリ。
空虹桜>雨上がりで晴れ渡るって、ヴィジュアル的には綺麗だけど、夕立や台風一過じゃないんだから、普通は案外薄曇
       りが続いたりするんだよね。
U・B  >文学的表現ってヤツなんだけど、空虹さん、ホントそゆの嫌いでしょ?
空虹桜>ギャグとしてしか使いたくない。
U・B  >ホント、サブカル側の人間はそゆのばっかだからめんどくさい。
空虹桜>たまにドシリアス放つと逆に変化球扱いだから、キャッチャ的には配球組み立てやすいとは思うんだけどね。
U・B  >そりゃ、150kmのストレートと90kmのフォークだけじゃ、押さえの切り札にしかならんとですけど、って、なんの
       話だ?
空虹桜>久々にノリツッコミ。
U・B  >そこだけ拾われるとちょっと恥ずかしいな。
空虹桜>そこまでそこまで語りたい曲でもなかったというところで、
U・B  >スゲェ感じ悪い人みたいだな。俺ファンなのに。
空虹桜事実だから仕方ないし。6曲目「Ban&An〜バカ万歳アホ万歳〜」は5thアルバム
       「どうにもこうにも俺MHz」、7曲目「オマエ・がむしゃら・はい・ジャンプ」は1stアル
       バム「勝手にロックンロール」でくっちゃべってるんで、8曲目「なぁ次郎
U・B  >もちろん、ツッコミどころは
空虹桜次郎って!
U・B  >ですわな。しかも歌詞どころか曲調まで演歌っていう。
空虹桜>たぶんこれカッコいいと思ってやってるんだよねぇ。
U・B  >いや、カッコいいから
空虹桜>・・・はぁ・・・
U・B  >なんか、その手のダサいことに対して逆にアリとかその手のポジションを取らないと肯定できない感がムカつくも
       んな。ちげぇんだと。ダサカッコいいでもなくて、ダサくてかつカッコいいんだってぇの。ちょっとアレ
       だ、演歌教育をきちんとやらんとアカンな。音楽の授業で西洋音楽聴かせるヒマがあったら、まず演歌聴
       かせろ演歌
空虹桜>これ、ロックバンドのアルバムレヴュですよね?
U・B  >ええ。だけど泣くな男よ、戦え男よ バカタレここで終われるか※8)は演歌の歌
       です。
空虹桜>いやまぁ・・・
U・B  >お前、この曲と11曲目「応援歌」が同じシングルに入ってるの想像してみぃ?
空虹桜>・・・重たいなぁ・・・
U・B  >それで演歌じゃなければなんだという?
空虹桜>別に言わなきゃいいじゃん。次、9曲目「メッセージボトル」はこれまた5thアルバム「どうにもこう
       にも俺MHz」で話し、10曲目「為さねば成らぬぞ!!」は3rdアルバム「為さねば成らぬIII
       枚目」で話し、さらには今さっき話に出た11曲目「応援歌」は1stアルバム「勝手にロックンロー
       」で話しで、最後12曲目「各駅停車
U・B  >イナ戦の自伝的な曲だけど、もうね、おじさんこの出だし聴いて、お前はみのや雅彦か!※9)思っ
       たもんね。あるいは野狐禅か!!※10)でも可。
空虹桜>北海道人にしかわからない人を。
U・B  >日高晤郎(※11)とは違うから仕方なし。
空虹桜>そこで北海道ネタ突っ走られても。
U・B  >つまり、この曲はフォークだって話なんだけど、でもこの曲はさ手探りの冒険と罪深い出会いと
       別れ そして23の春に突然来たチャンス 喜び勇んで掴んだそのチケット
       は 遠い道のりの各駅停車※12)に尽きると思うんですよ。
空虹桜>メジャデヴュは各駅停車の旅の始まりだったと。
U・B  >つまり、最初のハードルは跳び越えて終わりじゃないって言う、ごくごく普通の話なんだけど、実際そうやって旅を
       している人たちが言ってるのは絶対の説得力があるわけだ。だって、明らかにイナ戦は一
       足飛びで売れてないもの
空虹桜>ホントにもうファンですか?むしろ、アタシ個人としてはさっきの「罪深い別れ」にいったいどんな話が
       あったのか気になるところなんですけどね。
U・B  >性格悪いよなぁ。
空虹桜>職業病。
U・B  >はいはい。ともかくだ、このアルバムのコンセプトはまったくもって好きになれんのだけど、
空虹桜>なにげにまとめに入りましたね。
U・B  >ええ。それにしたって、この曲を最後に押し込んだところにさ、なんつーか、やっぱり、ロックは背中で語
       るもんだという思いがひしひしと。
空虹桜>ん?
U・B  >「応援歌」はちとべつなんだけど、背中で、俺がこうやって生きてきたんだから、お前
       も大丈夫だ。っていう、根拠ある肯定というか、遠回しの自己肯定があってこそ、初めてロックだし、ロック
       好きはそゆ巻き込まれ型肯定にこそ感情移入するんじゃないかなぁと。(※13


※1 前回っても、イナ戦レヴュやった前回。したがって、第445回
※2 THEイナズマ戦隊:Vo.上中丈弥(基本全曲作詞)、G.山田武郎、Ba.中田俊哉、Dr.久保裕行の四人組ロックバンド。詳しくはオフィシャル参照。それにしても、今見直すと前編は誤変換とか多数発生で悲惨なことになっとるなぁ・・・気づいた人は教えてチョ!(現在は直しました)
※3 ソウルセット:日本のヒップホップグループTOKYO No.1 SOUL SETのこと。空虹さんも好き。それはともかく、実は第4弾だった>トリビュート
※4 怒髪天:ロック&演歌な北海道を代表する酔っ払いバンド。怒髪天ファンはなんの迷いもなく問答無用で友達。イナ戦ファンもいいから聴くべし。
※5 RSR常連:が大好きなRISING SUN ROCK FESTIVALに住んでいる人たちのこと。空虹さんも3回ぐらい来てるので常連扱い。
※6 拡大部は歌詞より引用。
※7 拡大部は歌詞より引用。
※8 拡大部は歌詞より引用。
※9 みのや雅彦:羽幌出身のシンガソングライタ。「夢しかなかった」はベスト12曲に迷わず入れる至高の名曲。
※10 野狐禅:禅宗において禅に似て非なる邪禅のことらしいけれど、たしかに邪禅的な音楽を奏でるフォークバンド。他にもいい曲あるけどとりあえず「カモメ」を薦めておく。
※11 日高晤郎:北海道人なら誰もが一度は見たり聴いたりしたことがあるラヂオ芸人。
※12 拡大部は歌詞より引用。
※13 空虹48行。U・B65行で、そりゃの負け。来月はスチャダラパー話です。


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