タイトルが最高すぎて最高な「
ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ」見ました。
とはいえ、長過ぎなので、パンフ買う時に
「
ザ・ユナイテッド・ステイツ 」
までしか言わなかったら
「
えっ? 」
って、店員さんに言われました。しゅん。
「vs.」まで言ったら通じたよ!あと、パンフで指切ったよ!!!
いや、そうじゃなく、なんで「the」を「ジ」じゃなく「ザ」なのか問題で、しばらく悶々としてたのだけど、よく考えたら「united」は母音じゃないでやんの・・・
馬鹿か?俺は・・・
閑話休題。
最後の最後で言及されたけど、2020年になってもアメリカは黒人をリンチしていいんだぜ。
なんだ?その糞国家。
アメリカが自由な国?アメリカは黒人が大統領になった国?でも、
人間を人間扱いしない国じゃないか。
そこにある自由ってなんなんだよ。わけわかんねぇ。
という映画。
いや、真面目に。ホント昭和嫌いだ。
20世紀嫌いだ。
見てて「ヒデェ」と何度口にしたことか。
酷さのハイライトは言うまでもなく、立ちションからのリアル「奇妙な果物」であり、「正義は為された」と書き残すKKKのクズっぷりであり、主題である「奇妙な果物」の歌唱シーンである。
これで終わるのか?と思ったけど、こっからさらに
アメリカのクズっぷりが如実になるエンディング。
本当に酷い。最低。
今の目で見れば、彼らの考えは国家を守るためではなく、黒人を迫害するためでしかない。
労働力を確保するためには弱者が主張してはならない。
ああ、本当に屑だ。技能実習生を搾取してる日本も同罪。
<font size=“5”>人間なんて滅んでしまえ!</font>
閑話休題。
どうしても序盤の展開が拙いので、ちょっと眠くなるのは仕方がない。
隣の隣のおっさんはずっと寝てたぞ。
劇中のインタヴュの中で、過去を回想しているのはわかるのだけど、その中でまた回想や幻想が入り組むので、時制や時代がこんがらがるのよね。
たぶん、脚本というかテキストで読んだ方がついていける気がする。
もちろん、登場人物の見分けがつくのに、しばらく時間がかかったせいでもある。
所詮は黄色人種の島国に居着いてるちんけな人間なので、黒人の見分けが付かない。もちろん、白人様の見分けもつかないし、チャイニーズやコリアンも見分けがつかない。ジャップですら、何処ぞのアイドルや芸人なぞわからんし、そもそも、会社の同僚の顔もわからん。覚えられん。
人間なんぞ、その程度だろうよ。同じだ。吉田拓郎に唄わせれば「ラララ ラララララ」
ゲイとレズが犯罪だった時代という予備知識も引っくるめて、アメリカ本国なら説明不要な前提だとは思うんだけど、日本の観客は、去年「
リスペクト」や「
サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」を見てるので、それなりに予備知識を積んでるだろうけど、通じるのか?わからない。
辛うじて俺は理解できた気がする。
しかも、「
ジュディ 虹の彼方に」のように、依存症へ沈んでいく。
半分は仕込まれている。アメリカに。アリスリンガーに。
史実なのだけれど、どうもこの映画一番の問題は、アメリカが悪ではなく、
連邦麻薬局局長で32年間頂点に君臨し続けたアリスリンガーだけが悪役に見えてしまう。非道に見える。
もちろん、人間として相当の屑だったのだけれども。
でも、この映画のタイトルは「ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ」なのだから、アリスリンガーだけが悪なのはちょっと違う気がする。KKKは姿を見せないし。
個人は悪ではあるけど、その後ろにある
集団としての悪こそが国家なのだから、そこが描き切れてないのはやはりタイトル負けに見える。
にしても、ビリー・ホリデイを演じるアンドラ・デイは素晴らしい。なるほど。スティーヴィ・ワンダーが気に入るはずだ。グッド・オールド・フューチャーな声。
バストトップを晒すのも、SEXシーンも躊躇わない。
胸というか肋骨まわりの薄さは、18kgも体重を落としたから。
しかしそうか・・・これでもアカデミー賞取れないのか・・・
えっ?相手は「
ノマドランド」フランシス・マクドーマンド!?
じゃあ、仕方ないか・・・
そうそう。忘れてはならないのはエンドロール。
思わず爆笑してしまったのだけれど、プラダの衣装は素晴らしく素敵で、しかし、
時代的にプラダは存在しないのである。
プラダが服を展開しはじめたのは
1989年からだ!